ロシア軍のウクライナ侵攻と各国の対応
目次
①ロシアのウクライナ侵攻の目的は?
②ロシアの侵攻による各国の対応は?
ロシア軍部隊が2月25日、ウクライナの首都キエフに迫ったと報道されています。
欧州の主要国が隣国に侵攻するのは、第2次世界大戦以来、初。
ウクライナ情勢は重大局面を迎えています(2月26日執筆)。
①ロシアのウクライナ侵攻の目的は?
簡単に説明すると「ウクライナは欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)に加盟したい。ロシアはその動きに反発、阻止したい」ということ。
ウクライナはNATOに加盟するため、加盟国候補になるための手順として、EUと連合協定を結ぼうとしました。
このことに焦ったロシアは、クリミア半島を併合します。
これが2014年に起きた「ウクライナ危機」です。
戦略上の重要な拠点となるクリミア半島を、ロシアはどうしても確保したかったのです。
EUとの連合協定を結んだウクライナは、自国の安全保障のためにも、NATOに加盟したい。
しかしロシアを刺激したくないNATOは加盟に慎重な姿勢です。
ロシアのウクライナ侵攻には、NATOの拡大を阻止する意図があるといわれています。
プーチン大統領は「ウクライナがNATOに加盟すれば、ロシアを攻撃する基地になる」と述べており、今回の侵攻はまさに実力行使に出た形です。
②ロシアの侵攻による各国の対応は?
ロシア、ウクライナ両国の軍関係者の家族は、不安な毎日を送ることとなります。
また、ロシア・ウクライナと国境を接する国々は、難民の流入に備えねばなりません。
国連は「最大500万人の難民が発生する可能性がある」としています。
NATOはウクライナに戦闘部隊を派遣する予定はないとし、軍事顧問、武器、野戦病院を提供してきました。
EUは、ロシアへの金融市場へのアクセスを制限。ロシアの産業界が最先端技術を使えないようにすると約束したとされています。
ドイツ政府は、ロシアとドイツを結ぶ天然ガス輸送パイプライン「ノルドストリーム2」のプロジェクト承認停止を明らかにしました。工費110億ドルといわれる大規模投資事業の承認手続きの停止となりました。
アメリカ政府は、ロシアの主要銀行や国債を対象にした金融制裁、一部資産凍結などの制裁を発表しています。
イギリス政府は、全ての主要ロシア金融機関の資産凍結、ロシア航空会社「アエロフロート」の乗り入れ禁止の発表をしています。
カナダ政府は、ロシア国債の売買禁止、ロシアの銀行との取引停止などの金融制裁措置を発表しています。
日本政府は、特定のロシア関係者へのビザ発給停止と資産凍結、日本での国債発行禁止などの制裁措置を発表しています。
(2月26日執筆)
- 担当スタッフ 伊藤